ネッチジャパン10周年に寄せて ~熱が伝わる~

2022.07.05
こんにちは、ネッチ・ジャパンの篠田です。久しぶりのブログの更新となります。 そして久しぶりに、海外出張に行って参りました。行先はオーストリアで、技術サービスです。 7月末には久しぶりにドイツのNETZSCH本社(Selb)で対面の営業会議があり、社員の諸君も複数参加致しますので、私が一足先に単独で行って、コロナ関連の手続きなどの経験の取得にもなりました。別の言葉でいうと、先行して皆さんの代わりに地雷原を踏む、いつものパターンです。(それは違うという声が社員の皆さんから聞こえてきそうですが)  一言でいうなら、今の海外出張(ドイツ、オーストリアなど)行きはよいよい、帰りは怖いだと思います。日本再入国にはワクチンの接種証明書が必要ですが、のんびり構えていて、この発行に1週間かかると聞いて青ざめたのが、出発の前の週。帰りは帰りで、帰国の72時間以内にPCR検査を受けなければならないのですが、これも厚生労働省が定めた方式でないと許可が出ません。ウィーンで、休日もやっているところでViroTrust GmbHというところに予約をとってタクシーで行ったのですが、ここが目立たないところで探し出すのに苦労しました。(対応はとても親切でした)入国規制は緩く、皆マスクをつけていませんので、現地で感染する可能性も低くはありません。羽田空港でも長時間のフライトの後なのに、長い距離を延々と歩かされて、とても疲れました。  とはいえ、着いた初日のウィーンではささやかな観光を楽しむことができました。Prater公園でビールをひっかけ、「第三の男」で有名な大観覧車に、Augartenでは念願の高射砲塔に対面することができました。高射砲尾塔は、高射砲がついていたG塔とレーダーが設置されたL塔があるのですが、あまりに巨大なコンクリート建造物なので、破壊できずに未だにそびえたっているのです。夕方はドナウ河畔のレストランで食事をとりましたが、ビーフタルタル、これをパンにつけて食べるのですが、これがとても気に入りました。牛の“チタタプ”のようなものです。ウィーンと言えば、映画「愛の嵐」(The Night Porter)がお気に入りなのですが、これに因む場所は、今回は行きそびれました。  そうです、今回のブログの肝心なことは、ネッチ・ジャパン株式会社は、2012年の6月1日の創立以来、今年で十年目を迎えたことをお伝えすることでした。
順調かそうでなかったかと言えば、いろいろありましたが、順調だったと思います。また、私がいたから順調だったかと言えば、そうでもなかったと思います。ただ言えることは、お客様やビジネスパートナーの皆様を含めて、随分いろんな方に助けて頂いたなあ、と言うことです。(今も助けて頂いておりますが)
ただ、継続して助けて頂けるために大切なことは、正しいということだと思います。少なくともそれを目指さなければならない。ことに計測装置メーカーには絶対だと思いますし、私がいずれ引退した後も、この方針は今後も変わらない事と思います。では、正しくあるためにはどうしたら良いかと申しますと、やはりものの本質を知らなければならない。従ってサイエンス、特に物理をもっと勉強しなければならない、と思います。 解らなければ、その道を専門家の先生に聞く。でも、やはり基本となるのは、物理ですから、熱システムを電気回路で模してしまう流派の先生とは、若干距離をおいてしまうような事にはなりますが。。(熱は拡散現象ですよ!)  そんなこんなで、今、私として一番力を入れているのは、社員の教育です。もちろん熱に関することです。経験の長い社員の方々、顧問の先生にもご協力頂いておりまして、ネッチの膨大な熱に関するデータベースも活用して、解りやすい学習システムを作り上げるのが私の目標です。
熱は現代社会の律速ですし、従って熱測定に関するニーズが無くなることはないと思います。サーモリフレクタンス法による薄膜熱伝導率測定のみならず、今やレオメーターや、発火試験装置、など熱分析から若干枠を飛び出した感のあるネッチ社ですが、次の10年に向けて、社会貢献を目指させて頂きますので、今後ともご愛顧のほどお願い申し上げます。
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