Kinexus シリーズ回転型レオメーター
分散系レオロジー・粘度の評価に開発設計された回転型レオメーター
特長
- 品質管理に適したSOP(作業標準、時間管理)および合否判定機能
- 測定治具および温調カートリッジの脱着が簡単で自動認識機能も搭載
- 微小トルクオシレーション測定、低せん断速度ビスコメトリー測定を可能にする測定精度
- 高NF、高トルク対応により幅広いオシレーション測定が可能
SOP(標準操作手順)機能




- 表示される画面に従うのみ
- 表示される画面は実際の測定風景に差し替え可能
- メッセージもオリジナルで設定可能
- 合否判定機能を搭載可能
せん断範囲

アクセサリ
ジオメトリー
コーン&プレート
パラレルプレート
ディスポーザブルプレート
カップ&ボブ
ダブルギャップセル
セレーテッドプレート
羽根型ジオメトリー
ムーニーエワート
B型およびE型に対応するカップ&ボブやパラレル、コーンなどの一般的なジオメトリに加え様々なジオメトリーをラインアップ。硬化性樹脂や粘接着樹脂に適するディスポーサブル、水よりも粘度が低いサンプルに適するダブルギャップ、粉体やペーストなどの強い相互作用を伴うムーニーエワート、泡やゲルの測定に適した羽根型など様々なジオメトリーによる幅広いアプリケーションを実現します。
UV硬化アクセサリ


UV照射下でのオシレーション測定により硬化過程の評価が可能になります。
温調ユニット
ペルチェプレートカートリッジ
アクディブフードカートリッジ
ペルチェシリンダーカートリッジ
HTCカートリッジ
Min:-40℃の低温用、Max: 350℃の高温用など各種温調ユニットをラインナップしております。
仕様
※表は横にスクロールできます。
型式 | Kinexus ultra+ | Kinexus pro+ | Kinexus lab+ |
---|---|---|---|
制御モード | ダイレクトストレイン、速度制御(回転数制御)および応力制御(トルク制御) | ||
トルク範囲(ビスコメトリー) | 1.0 ~ 250 mNm | 5.0 ~ 225 mNm | 10 ~ 200 mNm |
トルク範囲(オシレーション) | 0.5 ~ 250 mNm | 1.0 ~ 225 mNm | 5.0 ~ 200 mNm |
トルク分解能 | 0.05 nNm | 0.1 nNm | |
角度分解能 | < 10 nrad | ||
角速度範囲 (回転数範囲) |
1 nrads-1 ~ 500 rads-1 (9.55 nrpm ~ 4774 rpm) |
10 nrads-1 ~ 325 rads-1 (95.5 nrpm ~ 3103 rpm) |
|
ひずみのステップ変化 | < 10ms | ||
角周波数範囲(周波数範囲) | 6.28 µrads-1 ~ 942 rads-1 (1µHz ~150 Hz) |
6.28 µrads-1 ~ 628 rads-1 (1µHz ~100 Hz) |
|
モーター慣性 | 12 µN・m・s2 | ||
ノーマルフォース | 0.001 ~ 50 N |
アプリケーション
データ
温度掃引による熱硬化性フェノール樹脂の粘弾性測定

図は熱硬化性フェノール樹脂の温度分散測定を実施した結果です。
温度上昇に伴い、弾性成分であるG’(●赤)と粘性成分であるG”(▲青)は減少して柔らかくなりますが、130 ℃を超えたあたりから硬化反応が始まりG’、G”は増加して140 ℃を超えたあたりでゲル化点を迎えます。
その後G’とG”の値は逆転し、硬化が進むにつれて弾性成分であるG’が優勢になっていきます。
KINEXSUSでは硬化前から硬化開始、硬化中の挙動を精度よく測定することが可能です。
周波数掃引によるシリコーンパテの粘弾性測定

図はシリコーンパテの周波数分散測定を実施した結果です。
低周波数(0.1 Hz)測定時には、粘性成分であるG”(▲青)は弾性成分であるG’(●赤)より高い値を取っており、液体的な挙動を示します(伸びるような挙動)。一方で高周波数(10 Hz)測定時には、弾性成分であるG’が粘性成分であるG“よりも高い値を取り、固体的な挙動を示します(千切れるような挙動)。
このように周波数によってサンプルの挙動が異なるため、サンプルの物性評価において粘弾性の周波数分散測定は非常に重要です。
四種類のスラリーのせん断粘度測定

図は0.1 ~ 1000 s-1のせん断速度範囲 で四種類のスラリーのせん断粘度を測定した結果です。
PVDFをNMPに添加すると、せん断粘度は大幅に増加しましたが、一方でその値はせん断速度にほとんど依存しません(ニュートン挙動)。
更にカーボンブラックA、Bを添加すると、せん断粘度は増加し、せん断速度依存性を示しました(非ニュートン挙動)。
カーボンAで作られた電極スラリーは、低せん断速度から高せん断速度までの全ての範囲でカーボンBで作られた電極スラリーよりもはるかに高いせん断粘度の値を取りました。放置時には沈降への耐性が高くなり(低せん断プロセス)、コーティング時には厚い電極膜を塗布することができます(高せん断プロセス)。
高いせん断粘度であるほど、コーティングプロセスの制御は難しくなり、不均一な塗膜や高密度層を形成する原因なります。結果として、イオン移動速度の不安定性を生み、電池寿命(および再充電サイクル時間)を低下させる可能性があります。