熱分析を学ぼう! | 示差走査熱量計 ( DSC ) とは?
示差走査熱量計 ( DSC ) とは?
示差走査熱量計 ( DSC : Differential Scanning Calorimetry ) は、温度を一定のプログラムによって変化または保持させながら、試料と基準物質の温度差を温度または時間の関数として測定する方法になり、固体や液体の相転移温度や熱量 ( エンタルピー ) の変化を測定する装置です。
熱流束DSC
熱流束型DSCは加熱炉、ヒートシンク、熱抵抗から構成されており、試料および基準物質への熱の出入りは熱抵抗を介してヒートシンクと行われます。DSCでは決まった熱の経路の温度差を計測し、温度差は単位時間あたりの熱エネルギーに比例することから、熱エネルギーを求めることができます。
また、熱流束型DSCはヒートシンクを有していることから、DTAと比べてベースラインが安定しており、定量性のあるデータを得ることができます。
測定できるサンプル
- プラスチック、ゴム、樹脂(PE、PP、PET、PC、PVALなど)、有機物、セラミックス、ガラス、複合材料(CFRP, GFRP)、金属、建材などといった固体サンプル
- 医薬品や鉱物などといった粉体サンプル
- 繊維やテキスタイル
- ペースト、クリーム、ゲルといった粘性サンプル
- 液体サンプル
測定でわかること
- 融点(Tm)、結晶化温度(Tc)、相転移温度、反応温度、ガラス転移温度(Tg)
- 融解、結晶化、相転移、反応時のエンタルピー
- 結晶化度の評価
- 分解、熱安定性の評価
- 酸化安定性 (OIT:酸化導入時間、OOT:酸化開始温度)
- 樹脂、接着剤の硬化度評価
- 純度
- 比熱容量 (Cp)
- 相互作用
- 劣化試験
- 分子量分布
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