今年はもっとサバイバル
こんにちは。ネッチ・ジャパンの篠田です。
本年初のブログとなります。昨年中は大変お世話になりました。新規ユーザーの方も大変増えて喜ばしい限りですが、その分しっかりしなければいけないと自らを戒める次第であります。
なにとぞご教授、ご指導の程お願い申し上げます。今年も何卒宜しくお願い申し上げます。
さて、新型コロナに貿易摩擦、火山噴火に地震、世界的紛争の広がり、東京オリンピック中止と、世界的に明るい話題がない今日この頃ですが、何か明るい話題はないかな、と探すのに一苦労です。
いっそ駝鳥になってしまいたい。あの駝鳥という鳥は、危険な状況に陥ると、その俊足を生かして逃げれば良いものを、砂に首を突っ込んでその状況を見ないようにする。解決にも何もなってないわけですが、何か気持ちがわかる気が致します。でも本当にそうなってしまったら社長失格です。
大変な状況に陥った場合に人生の教訓としておりますのは、以前にも引用させて頂いた、今昔物語の「受領は倒るるところに土をも掴め」という話です。考えて見ると、大学受験も、研究も就職も、ほとんど失敗の連続でしたが、情報の収集だけは欠かさなかったおかげで余計な知識が増えて、意外と後になって役立っていたりします。昨年度の年頭のテーマは、まだ新型コロナが問題になる前ではありましたが、「サバイバル」でした。「今年はもっとサバイバル」です。
コロナ下で勢い在宅も多くなるのですが、往復3時間の通勤時間が無くなる分、自分の時間にも多少の余裕が出てくるメリットもあります。これを機に多少芸を身に着けようと思ってやっている最近のマイブームはLabVIEW(National Instruments製)と、3D キャドのFusion 360と積分変換です。
何を隠そう某NI社には、転職を希望して見事にはじかれた経験があります。転職には失敗したものの、LabVIEWは時代のニーズにあった製品で面白いと思いますし、旧友が賞をとったりして羨ましかったので興味は持続しています。
面接時の口頭試験で出された問題は面白かったので今でも覚えています(もちろん解けました)。
Q: A、B、C三個のスイッチがあって、それぞれ電灯に接続されている。スイッチをON/OFFすると、電灯も明滅するが、両者はついたてで隔てられていて、スイッチを動かす人は、電灯の光を見ることができない。ついたての向こうの電灯側には1回だけ行くことができる。ABCがそれぞれどの電灯につながっているか、どうやったら解るか?
皆さまも一度考えてみて下さい。
熱物性測定も熱分析も世の中のニーズがより多様化、高度化しているのを肌で感じます。一方でこれはメーカー側にとっては、特注仕様はコストがはねあがり、持続的なサービス(非常に長い時間スパンでの)が困難になることを意味しています。LabVIEWもFusion360もそんなニーズにマッチしているのですが、積分変換は・・・これもちゃんと理解できないと、最近の熱の解析式が理解できないので仕方ないのです。良い参考書シリーズが見つかったので、50代の手習いで頑張っています。
さて、「もっとサバイバル」の話。最近興味があるのは火山です。
火山の噴火といえば、思い出すことがあります。まだ、ネッチ・ジャパンがブルカー・エイエックスエス社の熱分析機器事業部だったころ、私はラボで働いていたのですが、ある日部屋中のTGが暴れていたことがあります。1台や2台ではなく、ほとんどすべてのTGが“微妙に”ノイジーなのです。「天空の城ラピュタ」に「石たちが騒いでおる」という名セリフがありますが、「TG達が騒いでおる」といった感じでした。ドイツのネッチにも、何かおきそうだとメールを打ったのですが、御岳山が噴火したのはその翌日でした。ネッチ・ジャパンの国産の作動TGは感度が高いので地震予知にも使えるかも知れないです。全国にユーザーの皆様がいらっしゃるので、広域観測にもなるかも知れません。
ちなみに、英国のマンチェスター大学のアルバート教授という方が、世界の危険な火山トップ10ランキングを2015に発表されているのですが、何と1位が小笠原諸島の硫黄島、4位が阿蘇山でした。
♪太平洋の波の上、帝都の南千余キロ、「硫黄島守備隊の歌」でも歌われているあの硫黄島です。今では正式名称は(いおうとう)です。
戦後になって、17メートルも隆起しているそうで、くだんの教授はこの島が爆発したら、25メートルの津波が東京に押し寄せるだろうと書いておられます。 硫黄島は、クリント・イーストウッド監督の名作「硫黄島からの手紙」でも有名になりましたが、太平洋戦争中の最大の激戦地で、墓参に行ったことがございました。他人がどう思うと、戦後日本の経済的繁栄の礎に、かれらの犠牲があったと自分は思っておりますし、またそれを忘れないことが、日本人が来る試練でもくじけずに生き残る精神的活力になると思うのです。
仮に日本近海で火山爆発が起き、津波の危険性が生じた場合、わが社の基本方針は「津波てんでんこ」です。
つまり、てんでんばらばらで構わないので、まず安全なところに逃げよ、ということです。
社長や上司の命令とか関係ありません。日ごろ用意してある防災バックだけもって、ヘルメットをかぶって、隣のビルの屋上までめいめい速やかに非難する。もちろん、隣のビルのオーナーの許可は得ております。(ちなみに、ご来客者様用の防災バックも何個か用意しております。)
サバイバルは天災地変だけではなく、熱分析機器事業でも同様です。いろいろ推し進めてきたプランがありますが、きっと競合メーカーも読んでおられると思いますのでネタばれにならないよう、ここには書きませんが楽しみにされてください。
私の好きな言葉の一つは、
Wir suchen uns Wege,
Die keiner sonst fand.
です。
本年もなにとぞ、宜しくお願い申し上げます。